葬儀・法要のマナーと知識

▶香典返しのマナー

お忙しい中、ご弔問にお運びいただいた方々へのお礼です。返礼品には、一定の金額を定めて、葬儀当日に御品物でお返しする即返しと、四十九日の忌明け後に返礼する後返しがあり、近年は遺族が心身に掛かる負担が大きい後返しよりも、負担が軽い即返しが主流となっています。尚、選ぶ御品物の内容は、「半返し」にてお返しするのが慣例ですが、即返しの場合はなかなか難しいため、いただいた金額にあわせて分け、2~3種類の品物を選んでおくとよいでしょう。

御品物はタオル・お茶・海苔などが一般的です。

▶法事・法要の内容と心得

故人を供養する法要は、地域によってさまざまな約束事がありますが、ご逝去の日から年忌法要までで知っておきたい一般的な内容を記載しました。

法事の種類

仏式では、亡くなられた日を含めた七日目が「初七日」です。最近では初七日は、葬儀の当日に行うことが多くなっています。これは葬儀が終わってまた三~四日後に、遠方からの親戚が集まるのが大変なのでという配慮からです。初七日が終われば、それから七日目ごとに法要を営みます。このうち五七日から七七日の四十九日には、僧侶や近親者を招いての、やや大掛かりな忌明け法要を行います。さらに百か日、一周忌が続き、そのあとは年忌法要となります。

年忌法要(年回忌)

亡くなられて満一年たった”祥月命日”(無くなられた同月同日)が「一周忌」です。その翌年、つまり満二年目が「三回忌」、六年目が「七回忌」、以後同様にして「十三回忌」「十七回忌」「二十三回忌」「二十七回忌」「三十三回忌」「五十回忌」となりますが、だいたい三十三回忌くらいまでの法要が普通です。一周忌までは近親者、友人、知人、勤務先関係者など比較的多く招きますが、三回忌からは関係の深い人だけにしぼっていくのが普通です。寺院や会場を借りて大がかりな法要を行う場合は、日時、場所を明記した案内状を送り、出欠の返事をもらいます。内輪での少人数の法要なら、電話連絡でかまいません。

準備、段取りは早めに

法事の準備には、会場の決定、予約から、僧侶との打ち合わせ、招待客、案内状、お斎(僧侶の食事)、引出物など、細かい手配の必要なことがたくさんあります。余裕を持って、半年前から、少なくとも三ヶ月前には準備、段取りを始めたいものです。


▶忌明けまでに必要な準備

忌明けの法要は、五七日の三十五日もしくは七七日の四十九日に行いますが、葬儀後に行う最初で大切な法要です。それまでに心掛けたいこと、準備の必要なことをご紹介いたします。

★慶事は、忌明け法要がすむまで

 控えましょう。

仏教では、死の瞬間から次の世で生を受けるまでを「中陰」といい、遺族はこの期間、故人が次の世で幸せな生を受けるよう祈ります。中陰の期間は四十九日間で、ここから忌日法要が生まれました。そのため四十九日までは、結婚式などお祝い事への出席は控えましょう。

 

★白木の位牌は、法要の日に本位牌に

 替えます。

葬儀のときの白木の位牌は、長く置くものではない、とされています。忌明けを過ぎたら黒塗り、唐木の本位牌を用意し、僧侶に入魂供養をお願いします。

 

★法要後は、会食で精進落としを。

法要に列席していただいた方々を、お料理やお酒でおもてなしします。会食帰りに引出物をつけるのが一般的です。僧侶への御布施は、前もって用意しておきます。僧侶が会食の席に出られないときは「御膳料」や「お車代」を別に包みます。

★法要における僧侶をお迎えする心得

僧侶に読経をお願いする場合は、喪家の都合のよい日を二、三知らせておき、後はお寺のほうにおまかせします。三ヶ月前頃に再度確認するとよいでしょう。読経がすんだら、僧侶にも宴席に同席していただくよう、あらかじめお願いしておきます。この時の席は、仏壇の前に設けます。僧侶が宴席に出席できない場合は「御膳料」を包み、「御車代」も用意します。

★法要の日は、忌明け直前の休日が

 多くなっています。

忌明けの法要は、亡くなった日を入れて三十五日目、または四十九日目に行います。最近では親戚、知人、友人など、できるだけたくさん集まっていただけるよう、忌明け直前の休日が多くなっています。法要の日時は僧侶の予定を聞き、日取り、場所が決まったら早めにハガキか電話で関係者に連絡します。

★四十九日で忌明けとするのが一般

 的。納骨もこの日に。

三十五日は遺族だけで法要をし、四十九日に近親者や友人を招いて「忌明けの法要」をするのが一般的になっています。また、この日に納骨を行うことが多いので、供養の用意を忘れずにしておきましょう。

★法要の日時決定

お寺さんの予定や参会者の都合もありますので、日時は三ヶ月前か、どんなに遅くとも一ヶ月前には決定します。法要は祥月命日に行いますが、都合が悪ければその近くの日でもかまいません。ただしその場合は、祥月命日よりも前の日を選ぶように注意します。


▶年忌早見表

平成29年 年忌繰出表

年忌法要の営みは全国各地によりまちまちですが、標準的に営まれている年忌を下記に掲げました。

詳しくは檀那寺にお尋ね下さい。

1周忌 平成28年逝去

3回忌

平成27年逝去

7回忌

平成23年逝去

13回忌

平成17年逝去

17回忌

平成13年逝去

23回忌

平成7年逝去

27回忌

平成3年逝去

33回忌

昭和60年逝去

37回忌

昭和56年逝去

43回忌

昭和50年逝去

47回忌

昭和46年逝去

50回忌

昭和43年逝去

100回忌

大正7年逝去
  合掌